小紋の着物とはどんな柄?小紋の着物から洋服にリメイクしてみましょう。

2種類の小紋着物

小紋の着物

小紋の着物とは着物全体に柄が入っていて、模様に上下の向きがない着物のことを指します。

普段着として着用し、礼装や正装としての着用は出来ません(江戸小紋を除きます)

多くは「型染め」と呼ばれる技法で染められています。
「型染め」とは、染めていない白い布に、型紙を載せて色や柄を染めます。
後染めとも言います。

小紋着物紺色

江戸小紋

「江戸小紋」は江戸時代の大名が正装時に身に着けていた着物が発祥とされています。
模様の豪華さで大名同士張り合っていましたが、幕府から必要以上に豪華に見せることへの規制により、控えめな小さく細かい模様に変化したようです。
遠くから見ると無地に見えます。

江戸小紋三役

・鮫(さめ)…鮫肌のような細かいデザインです。遠目では無地に見えます。
・行儀(ぎょうぎ)…小さな点柄が斜め45度に行儀よく配列しています。
・角通し(かくどおし)…柄の縦と横が直角に交差し、同じ間隔で点が並べられています。 
「筋を通す」という意味合いがあります

鮫小紋
鮫小紋

・極鮫小紋(ごくさめこもん)
一般的な小紋よりも格の高い着物なので、紋が付いているとフォーマルな場でも着ることができます。

京小紋

発祥は約1200年前の京都。
模様の大きさが比較的大きく、江戸小紋とは違い色鮮やかで華やかな雰囲気があります。
「型染め」と「京友禅」の技術を合わせて作られています。

加賀小紋

「加賀小紋」は、石川県の金沢市で作られている小紋。
手描き友禅と型友禅という2つの種類があります。
加賀五彩”と呼ばれる藍色、古代紫、草色、黄土色、臙脂色の5色で染められていて、とても上品な色柄です。

小紋の魅力

日本には四季があり、季節の移ろいを愛でることができます。
それは素晴らしい特権です。

自然の美しさを表現した絵柄、
季節を表す絵柄を着用すると、新たな季節の到来を感じ心まで新たにされます。

季節を表す植物の柄
(春)藤、桜、桃、菜の花、撫子
(夏)あじさい、朝顔、百合、睡蓮
(秋)紅葉、萩、コスモス
(冬)水仙、松、菊、椿、梅、笹

小紋波柄
波柄

季節を表す柄
(春)蝶、鯉のぼり
(夏)花火、うちわ、金魚、水
(秋)稲穂、月・うさぎ、葡萄
(冬)雪、羽子板

季節を表す絵柄の着物は、季節先取りで選ぶのがお勧めです。
その他には幾何学模様、点や線でシンプルな柄。
また、万筋、市松、亀甲、青海波、麻の葉、縞など縁起物の小紋などもあります。

古風な小紋着物
幾何学模様

最近私が素敵だなと思っているスタイルは、
絵柄が控えめな渋めの落ち着いた着物に、
いつもよりも赤い紅でメイクにアクセントをもってくるというスタイルです。

現代モダンとして素敵だなと最近感じます。

シックな小紋着物
モノトーンの小紋

着物リメイク

着物リメイク初心者には、お試しに小紋の着物からまずは作ってみることをお勧めです。
柄の方向が無いので裁断しやすいのと、様々なデザインにリメイクできるからです。

中には着物だったとは分からない仕上がりになるものもあります。
「これは着物です」と主張したくない、控えめな装いの仕上がりになります。

ひまわり小紋からワンピース
向日葵柄の小紋着物

注意点として、着物によっては縦横の収縮性が強いものがあります。
収縮性の少ない着物からトライみてください。
手間ですが、きちんとしつけをしてミシン縫いするほうが綺麗な仕上がりになるかと思います。

ミシンのかけやすさに関しては『紬』が扱いやすいと感じます。

その点も、またご紹介いたします。