襤褸(ぼろ)・男性紬(つむぎ)の魅力とは?コートにリメイクした作品も紹介

襤褸で作ったコートのアイキャッチ画像 作品ギャラリー

皆さん冬支度は進んでいますか?
寒い冬も防寒しながら “綺麗” や “おしゃれ” を忘れず過ごしていきたいです。

着物タンスを整理していると父が着ていた着物がありました。
とてもしっかりした生地なのでこのまま眠らせておくのはもったいないですよね。

みなさんの自宅にも男性用着物は眠っていませんか?

この記事では、男物の着物を使ってこんな素敵なコートを作れるということを知っていただきたいと思います。

男性用着物×「襤褸」のはぎれを組み合わせてみました!
ん?

襤褸とは何なの?初めて耳にする方も少なくないと思います。まずは襤褸について、それから男性の紬について解説いたします。

そして、眠っていた着物からリメイクした素敵なコートについてご紹介いたしますので、ぜひご覧くださいね!

襤褸(ぼろ)とは?

襤褸の意味:使い古して破れた服・布きれ
実は日本の伝統的な布として世界で注目されているんです。世界中に愛好家がたくさんいらっしゃいます。

襤褸(ぼろ・らんる)の歴史は江戸時代(1603ー1868年)から始まりました。
当時は衣類や布が高価で貴重なものだったため古くなった布も貴重です。端布を継ぎ接ぎ(つぎはぎ)したり、刺し子(さしこ)をして着物や布団などを作り長く使われてきました。

何度も何度も繕って縫い合わせられ、同じものを何代にも渡って受け継がれた布なんです。
当初藍色に染められた布は鮮やかな色だったことでしょう。真っ青な空や海のような色。
それが今や擦れた味わいのある色に変わり、長い年月の間に色んなドラマを経て今に残された布なんですね。

襤褸のはぎれを洋服に縫い付けた

襤褸は日本の伝統的な手仕事や文化を伝える貴重な遺産
小さなはぎれであっても粗末にはしたくないという気持ちになりますね


男性用の紬(つむぎ)とは?

とは、絹糸の中でも「真綿(まわた)や玉繭などから作る、手ざわりのある糸」で織られた着物生地のことです。
光沢が控えめで落ち着いており、男性にぴったりの渋さ・品格があるのが特徴です。
紬=普段着(おしゃれ着)として位置づけられ「粋」「渋い」「格好いい」「さりげない高級感」を楽しむ着物です。

男性紬の特徴


① 落ち着いた色味
男性紬は、黒・紺・グレー・茶などの渋い色が中心です。

② ハリがあり、スタイル良く見える
紬は織りがしっかりしているため体のラインが出にくく直線的なシルエットになります。

③ 経年変化が楽しめる
着るほどに柔らかくなり体になじみ、美しい風合いに育っていきます。

④ 長く着られる丈夫さ
普段着として織られてきたため、とにかく丈夫。長年愛用しても破れにくい“実用性”が高いものです。

男性物紬の代表的な産地と特徴


① 大島紬(鹿児島・奄美)
・非常に軽い
・しなやかで柔らかい
・幾何学の「絣模様」が美しい
黒地の大島は特に渋く格好いいですよ。

② 結城紬(茨城・栃木)
・手つむぎ糸の温かい風合い
・ふわりとした軽さ
・着るほど身体に沿う
格と品があります。

③ 村山大島(東京)
・シャキッとしたハリ
・細かな柄
・軽やかな着心地

④ 黄八丈(東京・八丈島)
鮮やかな黄色・鳶色・黒の3色が特徴。
・独特のツヤ
・縞柄が粋

⑤ 琉球紬(沖縄)
南国らしい素朴さ・明るさのある紬。
・ざっくりした柔らかい風合い
・自然染料の色合いが美しい

大島紬からブラウスにリメイク
大島紬からブラウスにリメイク

このような特徴がある男性の着物からリメイクして作った洋服は渋い仕上がりになります。

男性着物の裏地に込められた意味とは?

男性物の着物には、表からは見えない「裏地」にあえて遊び心を込められています。
特に 羽織の裏地に描かれる手描きの絵柄 は、「羽裏(はうら)」と呼ばれ、江戸時代から続く男性のおしゃれの象徴です。その歴史・種類・意味・魅力をまとめます。

羽裏(はうら)とは?

羽裏とは、男性用の羽織の裏地に施された絵柄や染め、織り模様のこと。
表地は地味でも、裏側に大胆な柄を隠して楽しむ、とても粋ですね。

江戸時代の武士や町人たちは、表に派手な柄を出すことが制限されていたため、
裏地で密かに自分の個性を表現したのが羽裏の始まりと言われます。

「見えない部分にこそ美を込める」という日本的美意識の象徴です。

羽裏の代表的なタイプ

① 手描き羽裏(絵師による一点物)
筆で直接描かれた羽裏。
非常に手間がかかるため高級で、芸術品のような価値があります。

  ● 龍→力・成功。
  ● 鳳凰→調和・繁栄の象徴。
  ● 宝尽くし→金運・幸運を呼ぶ縁起柄。
  ● 富士山→不動の人気。日本の象徴で縁起の良い図柄。

② 型染め(友禅・江戸小紋)羽裏
型紙を使い、染めで美しい模様を施した羽裏。
手描きより安定した価格で、細やかな柄が多い。
代表例:江戸小紋の極細文様、友禅染めの華やかな文様、モダン柄(市松・青海波など)

③ 織りの羽裏(綸子・紗綾形など)
織り柄で光沢を出した羽裏。

羽裏が男性に愛される理由

① “見えないおしゃれ”
洋服でいうと、裏地が素敵なジャケット。
脱いだ瞬間に「おっ」と言われるさりげない格好よさ。

② 一点物の芸術性
特に手描き羽裏は絵師による作品で、
「裏地なのに芸術品」という贅沢さがある。

③ 自分の趣味や美意識を表現できる
龍・浮世絵・富士山・武将など、男らしい趣味性が強く出せる。

④ コレクション性が高い
希少で年代物の羽裏は、骨董・美術としての価値も高まっている。


男性の着物について詳しく知ると奥深さに感動します。
手元にある着物について調べるてみると、これを着用していたご先祖様の性格や人となりまで見えてきそうですね。

男物着物からコートにリメイクしました!

襤褸のはぎれを使って作ったフードコート


濃紺色の紬はやや艶もあり上質な絹なので、素朴な襤褸の素材を引き立ててくれました。


襤褸の柄が大胆でモダンなので、渋いコートに仕上がりました。
あまり着ていない綺麗な状態の着物でしたので今回コートとして生まれ変わり、着るごとに質感が柔らかくなり風合いが増してきます。

襤褸のはぎれを大胆に貼り付けた


裏地も男性用の着物の裏地を使用。手描きの風景画は、印刷とは違う味わいがあります。

裏地の絵柄


脱いだ時も目を引く裏地もかっこいい!
男性物の着物からも素敵な洋服が作れるんですね。

和の美しさを眠らせておくのではなく、日常に取り入れる形に変えてみてくださいね。

男物の着物 × 大島紬や秋の女性の着物 と組み合わせるのも素敵ですよ。下の記事をご覧ください。