特別な時にしか着ることのない訪問着
代々受け継がれてきた大切な時代物の訪問着
眠らせておくのはもったいないので洋服にリメイクしたいけれど…とお悩みの方へ、
デザインの参考にしていただければと思います。
これまで何百着と洋服を作ってきましたが、慣れない緊張する作業があります。
それは生地にハサミを入れる作業、今でもエネルギーがいります。
特に、訪問着の場合は柄が主役なので、失敗するとやり直すことが出来ません。
柄の中心をどの位置にもっていくかによって、5㎝上すぎても、5㎝左に寄りすぎても、
バランスの悪い洋服に仕上がってしまいます。
裁断は仕上がりの映え方に影響する、とても重要な作業です。
それで、洋服にリメイクする際の「訪問着の柄の決め方」の参考にしていただければと思います。
リメイク開始
着物を解いていきます。
まず、袖と襟を外していきましょう。袖付け、身八ツ口には補強のため、
かんぬき止めがされているものがあります。
糸を切る際に着物布も誤って切ってしまわないように注意しましょう!
それから裏地も外していきます。
きちんと合っている絵柄は動かさないように、身頃の縦の糸は解きません。
広げてみて自分の身体にあてて、全身を鏡で見てみてください。
どの位置に柄を置くと華やかでしょうか?
リメイク例
一着目:ワンピース
地紋入りの淡いベージュに、手描き友禅の可愛い訪問着です。
襟開きは丸ではなく緩やかなVネック。
少しシミがあったので、そこは使用せず袖を身頃左部分に使ってみました。
同じ訪問着からスヌード
おくみ部分が余ったので、スヌードを作りました。
裏面は落ち着いた若草色の色無地の着物を合わせてみました。
二着目:ワンピース
オレンジ色の大輪の花が目を引く訪問着です。
シンプルなAラインにしました。
同じ訪問着からプルオーバー
前身頃と左袖に柄を持ってきました。
袖の柄は、右袖にするか左袖にするかもバランスを見て決めていきます。
プルオーバーにするとパンツスタイルにも合うので、ちょっとしたお出掛けにも着用できます。
いかがでしたか?
訪問着の柄の大きさや色によって仕上がりが違いますよね。
お手元の着物はどんなデザインが合いそうでしょうか?
着物を解きながら、仕上がりのイメージをしてみてください。
そうすると、解く作業も楽しくなりますよ♪
今回は2着の着物デザインをご紹介しました。また少しづつ他の洋服もご紹介したいと思います。