絞りを全て解く作業は少し手間がかかります。
絞りの凹凸が伸びてしまうのを防ぐために、薄い裏内布がとじ付けられていて、しかも、一針一針に返し縫されているので、糸を引っ張っても抜けないのです。
裏地を付ける洋服にリメイクする際は、絞り着物にとじ付けられている裏内布は外さないで、そのまま使用するほうが、型崩れせず綺麗な状態が保たれます。(裏内布が無い絞り着物もあります。)
夏用の服を作りたい場合は、裏内布を外したほうが涼しいです。
とじ付けるのは大変な作業なので、職人さんのことを思うと解くときの心境は辛いです。
でも、「袖を通さず眠らせておくより…喜ばれるはず!」と自分に言い聞かせて、解いています。
【絞り生地を扱う時の注意点】アイロンは避けましょう。
どうしてもという時は生地から離して軽くスチームするくらいにしましょう。
アイロンの温度に注意してください。はぎれで一度試してみると安心です。
作品紹介
ふんわり袖のプルオーバー
絞りの羽織からプルオーバーを作りました。
軽いので、ふくらんだ袖のデザインにしても重くなりません。
絞りの凸凹が空気を含んでくれるので、ふわっさらっとしていて夏はとても涼しいです。
襟ぐりは優しいVネックに
同じ羽織から2着目を作りました。
デザインは同じで、襟裏の無地部分を右身頃に用いてみました。
同じデザインでも、柄行きが違うと雰囲気も違ってきますね。
ノーカラーコート
渋柿のような、渋い色の絞りです。
肩落ちタイプで、ゆったりしたデザイン。
前の大きめのクルミボタンには、明るい色の部分を用いました。
袖をロールアップすると暑い季節にも着用できそうです。
スヌード
冬は冷えから守り、夏は紫外線対策に、年中使えるスヌードです。
そして、軽いので長時間着用していても肩が凝らないのは魅力です。
以前、スヌードを納品した方から
「これなら私も真似して作れそうなので挑戦してみます」というお返事をいただきました。
スヌードは直線縫いなので、洋裁初心者の方でも作れます!
手縫いでも作れますよ♪
また後日、サイズや縫い方の順番、コツをご紹介しますね。
そして、こちらは只今製作途中の洋服です。
ノーカラーコートにしようと思っていたのですが、リバーシブルのフードコートに変更しようかと迷っています。
素敵な絞りなので慌てて作らず、合うデザインを考えるため作業は止めているところです。
完成しましたら、またご紹介いたします。